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経営の根幹にかかわる「設備管理」
企業は設備を使って製品をつくり、それを顧客に提供します。それによって社会のニーズ に応え、従業員に生活の資を提供し、株主にしかるべく配当をする--そういう形ですべて のステークホルダー(利害関係者)に貢献するのが企業であり、その責任を負うのが経営者 だということになるでしょう。
企業が生産活動を続けるためには、「設備の機能を必要なレベルに維持」しなければなり ません。これを可能にするのが設備管理(保全)であり、企業は設備管理を通じてロスをな くし、リスクを最小限に抑えることによってステークホルダーに貢献します。“設備が健康” でなければ、企業の永続的経営は不可能です。
設備の健康を守ることが「設備管理」です!
経営意思を具現化する経営マネジメントにおいて、設備に関わる部分は共通的に、横串と しての設備管理が担っています。
このように各分野から見れば“下支え”の「設備管理」ですが、横に大きな広がりを持つこ とから、経営に直結した機能として捉える必要があるでしょう。
「設備管理」の歴史
企業は設備を使って製品をつくり、それを顧客に提供します。それによって社会のニーズ に応え、従業員に生活の資を提供し、株主にしかるべく配当をする--そういう形ですべて のステークホルダー(利害関係者)に貢献するのが企業であり、その責任を負うのが経営者だということになるでしょう。 企業が生産活動を続けるためには、「設備の機能を必要なレベルに維持」しなければなり ません。これを可能にするのが設備管理(保全)であり、企業は設備管理を通じてロスをな くし、リスクを最小限に抑えることによってステークホルダーに貢献します。“設備が健康” でなければ、企業の永続的経営は不可能です。
しかし時代が進むにつれ、設備は古くなっていき(設備の老朽化、高経年化)また能力の 高いベテランが退職していきます。欧米では、わが国より一足早くこの問題が顕在化し、 1990 年代からリスクマネジメントの考え方を設備管理に取り入れるようになっていきました。我が国では、2000 年代に入る前後から事故や災害が増加しはじめ、設備管理が経営課 題として認識されるようになっていきました。
これに対応して、当会では、経営にとって最 適な設備管理の仕組みを「MOSMS**」として提案しています。
**MOSMS:経営に資する戦略的保全マネジメントシステム/Maintenance Optimum Strategic Management System
「設備管理(保全)」に使う要素技術は、進化に伴い増加していきますが、古い技術が捨 て去られることはありません。拡大する一方といえます。すなわち、変化する状況に応じて、 新旧の技術を使いこなしていくマネジメントが重要といえるのです。昨今では、ICT、IoT、 AIなどの情報技術の活用が広く論議されています。
「設備管理」の歴史
「設備管理」という用語は、JIS(日本工業規格)においては「生産管理用語」の中で定め られています。その定義としては、 『設備の計画、設計、製作、調達から運用、保全をへて廃却・再利用に至るまで、設備を効 率的に活用するための管理。(備考 :計画には、投資、開発・設計、配置、更新・補充につ いての検討、調達仕様の決定などが含まれている)』とされています。 また、JISの「設備管理」の中で、「保全」や「設備保全」がそれぞれ定義されていますの で、少しく複雑です。 そこで当会においては、 「設備管理」と「保全」を同義としてとらえ、次のように定義 したいと思います。
「設備管理」または「保全」:企業の永続的な経営を可能にし、経営者、従業員、顧客、株 主などの利害関係者(ステークホルダー)の利益を最大にするために、プラントおよび設備 の全ライフサイクル、すなわち①設計、製作、②調達、③施工、試運転、④運転、⑤検査、 整備(補修を含む)、⑥廃棄の各段階で期待される機能を保ち、それによってサイト内・外 のロス・リスク低減に寄与する役割および組織的機能を「設備管理」または「保全」と呼称 します。
重要なことは、“設備が壊れたら治す”という狭い範囲ではなく、設計-運転-検査・整備 (補修)というすべての段階で設備が健全であるようにマネジメントすることが、「設備管理」ということです。
設備管理(保全)の機能の例(設備管理のライフサイクル段階別)
設備管理段階 | ||
---|---|---|
設計~試運転 段階 |
プロセス・ライン設計上のリスクアセスメント | |
装置・機器設計上のリスクアセスメント(外部調達を含む) | ||
デザインレビュー・MP情報反映 | ||
機器製作品の検収・立会検査 現地据付・試運転・立上げ |
||
運転操作 | 運転操作 | |
段取り・調整 | 正しい段取り | |
段取り短縮改善 | ||
製造条件変更に伴う変更管理 | ||
品質管理 | 日々生産での良品管理活動 | |
日常保全 | 給油・増締めの実施 | |
清掃点検・傾向管理 | ||
小補修(部品取替え、漏れ修復、バルブ修復など) | ||
異常の早期発見・是正 | ||
高度な運転監視技術の導入・投資 | ||
各種改善活動 | チョコ停防止 | |
設備改善を要する小力化・省力化 | ||
設備改善を要するリードタイム短縮 | ||
からくり改善などの現場改善 | ||
運転による整技能の標準化 | ||
保全段階 ー保全計画 |
保全計画策定 | 重要度設定・見直し(リスクアセスメント) |
保全データの分析 | ||
保全計画の策定(検査、設備の全体計画) | ||
保全結果の評価・計画修正 | ||
設備管理の標準化 | ||
定期設備 | 定期補修・取り換え、給油 | |
定期的塗装 | ||
定期工事(オーバーホール) | ||
定期検査 | 定期検査 | |
現地据付・試運転・立上げ | ||
稼働中巡視・検査(五感巡視、見える化、簡易診断) | ||
・検査結果の判定、修復実施 |
設備管理段階 | ||
---|---|---|
故障修理 | 非計画的な事後修復削減 | |
発生時の分析、対策立案 | ||
恒久対策(再発防止) | ||
(続く)保全段階ー保全計画 | 段取り・調整 | 短時間の故障発見技術 |
工法改善など修理時間短縮 | ||
保全作業の安全向上 | ||
検査技術の開発・向上 | ||
設備信頼性向上による故障原因 | ||
高度な運転監視技術の導入・投資 | ||
緊急時対策 | 産業災害対策(爆発火災、自然災害等発生等) | |
クレーム対応(品質不良品流出など) | ||
保全段階 ー保全実施管理 |
保全予算実績管理 | 保全費(診断検査・補修整備) |
維持更新投資・改善費用 | ||
工事管理 | 工事計画作成 | |
工事進捗管理、現場工事監督 | ||
検査・工事後検収(工事品質チェック) | ||
記録の評価・分析 | ||
安全管理 | 現場安全管理(パトロールなど) | |
予備品管理 | 適正予備品管理 | |
適正な予備品項目・個数管理 | ||
倉庫のSS[、物品の入・出庫管理 | ||
情報管理向上 | 故障など保全情報管理 | |
予備品情報管理 | ||
保全段階 育成活動 |
自社社員育成 | 専門保全員育成 |
保全管理者の育成 | ||
海外要員の育成 | ||
協力会社など育成 | 協力会社育成 |
「設備管理」から見た人材育成
代表的なプログラム
「設備管理」から見た人材育成
当会では、「設備管理」を支援するさまざまな活動を実施しています。各サービスのペー ジへご案内いたします。
- ●計画主導の保全の実践と教育
- ⇒「計画保全」ページへ(含むMOSMS)
- ●ロスゼロを生み出す現場活動と表彰制度
- ⇒「TPM」ページへ
- ●ローコストで現場を良くするからくり改善
- ⇒「からくり改善」ページへ
- ●保全員のための国家検定
- ⇒「機械保全技能検定」ページへ
- ●未然防止を担うオペレーターのための資格
- ⇒「自主保全士」ページへ
- ●お役立ち資料や地区活動
- ⇒「情報収集・資料」ページへ
- ●開催中のセミナーや発表大会
- ⇒「セミナー・大会」一覧へ
- ●報告書やガイド類
- ⇒「報告書・ツール販売」一覧へ